離婚と老後
離婚するときには、自分の生活のかなり先のほうまで考えなければなりません。
先のことを考えないと、年金のことを忘れがちになってしまいます。
未納のままで放置しておくと受給要件をみたさなくなってしまう場合があります。
もし、生活が苦しくて年金が払えなくなってしまった場合には、必ず免除手続きをしておきましょう。
全額または半額の免除が受けることが出来ます。
受給額は減ってしまいますが、もらえなくなることはありません。
また生活が安定したところで追加して収めれば、満額の年金を受け取ることもできるのです。
また婚姻生活中の夫の年金については、分割して受給できるようになりました。
【離婚と年金分割】
1960年代の後半頃から右肩上がりに増加し続けていた離婚件数が、実はここにきて減少傾向にあります。
結婚する数が減ったのでしょうか?それとも我慢している人が多いのでしょうか?違います。
実は婚姻期間の少ない若年カップルには、あまり関係ないのですが、2007年の4月に年金に関する新制度がスタートしたのです。
「離婚時の厚生年金分割制度」です。
夫の定年を期に自分のライフプランを見直す、いわゆる「熟年離婚」のカップルがこの制度を待っているため、離婚数がとまっているという味方があるのです。
これまでの年金制度では、サラリーマンの妻は国民年金の基礎年金部分のみの受け取りで、国民年金に40年間加入していたとしても月額7万円に満たない受給額でした。
これが夫の受給分の50%までは分割して受け取る権利を得られるようにしたのが年金の新制度です。
さらに2008年の4月以降は話し合いで割合を決めずとも、自動的に妻が半分取れるようになっています。
第2の人生を待っている熟年離婚予備軍は、この機会を待っているのです。
よって、2008年は離婚件数が激増してしまうかもしれません。
実は今までも半額までは話し合いで取り決めれば財産分与の考えで、妻が受け取ることも出来たのですが、あくまで夫に支払われるものですので生存ということが条件でした。
しかし新制度では、受給者が2人になりますので、片方が亡くなったとしても、半分の権利は自分が亡くなるまで継続されることになったのです。